2016年10月29日

第67話


 話が終わり、一先ずカズヒデたちは城下町のある宿屋へ来ていた。
 宿屋の部屋は二つ確保し、それぞれ男性陣、女性陣と分かれることとなった。そのひとつ、男性陣の部屋での話である。

「……よく、ケンシンの目の前であんなの言えたね」
「あの時はちょっと焦ったかな。大丈夫かなあ、とか思ってはいたけど」
「あそこまでは考えていなかった、って話?」
「まあ、そうかな」

 そうだろ、と笑いながらハンベエはモココの頭を撫でる。

「さてと……それじゃ、寝ることにしようか。もう夜も遅いことだし」
「そうか」

 ふたりはその言葉で布団へ入った――

 ――ちょうどその時だった。

 ガガン!!

 屋根が何かの力によって貫かれた。

「……な、なんだ?!」

 カズヒデとハンベエはその音が起きた方向を見た。そこに居たのは、ひとりのシノビだった。シノビのそばにはアーボが一匹いた。おそらくは、シノビの持ちポケモンなのだろう。

「貴様……!」
「死んでもらうよ……。君はこの世界には必要ない存在だ」

 シノビはそう言うと、カズヒデたちに向けて指を指す。
 それを合図として、アーボが毒液を吐き出した。そして、それがハンベエに命中する。

「ぐはっ……!」

 それを見て、カズヒデはシノビに向けて叫ぶ。

「おい……、ポケモンはポケモン以外に攻撃してはいけないだろ!?」
「いけない? 果たして、それは誰が決めたものなんだ。それは平和主義者が決めた勝手なルールだろ? イクサでも、こういう戦いでも、ポケモンが人を攻撃しちゃいけないだなんて単純なルールが通用するとでも思っていたのなら、まだあんたは子供だということだ。そして――さっさと、死ね」

 シノビはさらにもう一度手を上げる。

「プクリン、ゴー!」
「な……!?」

 シノビがその声の発生源へ振り向いた瞬間、どこからか現れたプクリンがアーボに体当たりした。
 そして、そこにはオイチたちがいた。

「くっ……まさか、ここまで早く見つかるとは」
「そりゃー、そこまで大きく騒いでいちゃ、聞こえるもんでしょ」

 そう言って呆れたような表情なのは、シノだった。

「全く、困ったもんだよ」

 オイチはプクリンに『いやしのひかり』を行使した。すると、ハンベエの傷がみるみるうちに回復していった。

「……いや、済まない。少し、気を抜いてしまったよ」

 ハンベエが小さく照れ隠しで笑った。
 そして、改めて捕まえたシノビの方を見る。

「……どうして、こんなことをしたのか。話してもらうよ」
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posted by 巫夏希 at 14:33| Comment(0) | ポケナガ
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